スキマカゼ

１ヵ月後また貴女の誕生日が訪れる。
せっかく６月に少し近付いたはずの私から貴女はまた１年遠ざかる。
ずっとそんなことが続けばいいと思う。
貴女に間違っても追いつけず、でもその差がそれ以上開く事もない。
そんなこれからであってほしい。
その１ヵ月後私にはおそらく人生で３番目くらいに大きな山場を向かえる。
その日が貴女の誕生日である事が嬉しく、
いつもよりいいトコ見せなきゃって見えるはずもないのに思う。
もしこの世界が非現実で、
たとえばこの恋が恋愛シュミレーションゲームだったとしたら、
主人公は頑張れば頑張るほど好いて貰えるのかな？
恋も勉強も部活も高校生活も全部完璧にしてみせる！
…だなんて現実には有り得ない。
どんなに頑張ったって相手の目には留まらない、
そんな現実の方が確実に多いでしょ。
もしそんなゲームの世界だったとしたら
貴女は私を好きになってくれるのでしょうか？
おはようって朝学校で笑って言ってくれるのでしょうか？
そうだったとしたらわたしはゲームの中の人でいいよ。
現実はそんなに甘くはない。
それに会えない貴女への選択肢って何が出るんでしょうね？
メール→×アドレス知らない
偶然ばったり→×顔知らない
そんな相手は攻略対象どころか脇役としても出てこないね。
じゃぁ主人公は別の適当な相手と幸せそうに暮らすの。ゲーム内では。
でもやっぱりここがゲームじゃなくてよかったなと思うのは、
貴女にも選択肢があるということ。
どのルートで来られたって嫌だったらパーセンテージは０％のまま。
ちゃんとまた新に貴女が幸せになれるルートが別に存在すると言う事。
６５億分の１くらいの確率で
貴女がいてそのそばに私が存在できるルートはあるのかもしれない。
ただそれはきっと裏の裏の裏ルートで、
その上幸せになれないルートなのかもしれない。
せめて貴女には幸せでいて欲しい。
どうか最も幸せになれるルートをあなたが選べていますように。