悪心

夜中に突然来る、
淋しいって気持ちは
発作に近い。
何も手に着かなくなる。
そわそわして、
少しだけ、痛みを求める。
すこしだけ。
つねるような。
ピリッと焼けるような痛み。
ピアスの後のジンとした熱。
鈍くなる感覚。
現実を感じさせてくれるもの。
壊れるくらい、
誰かが抱きしめてくれれば
少しは和らぐ
気がする。
たくさん笑った後の疲れが
幸せを感じられるように。
此処にいていいということを。
あなたには会えない。
存在していても、いなくても。
それは、いないってことに近い。
少なくとも、あなたにとっては。
私はないものと同じ。
でも私にとっては、
いる。
いてもいなくても、
あなたの存在を
私が想うたびに願い、
淋しいと感じ、
それは痛みを生む。
じくじくと熱を持つ。
いないのにいる。
いるけど、いない。見つからない。
和らげるために
別の痛みで誤魔化して。
それは他の誰かが与えてくれるはず。
その人が遠ければ、
痛みも大きいのかな。
錯覚できるくらいに。
誰でもいいのかもしれない。
そんな風に思う時ほど
特定の誰かしか愛せないのに。